角 一路からのメッセージ

角 一路

このページでは、萌学舎が今までに配布した折り込みチラシに掲載した講師の言葉を載せています。

講師からのメッセージ

16年3月

人工知能やロボットの発達により、今ある職業の大半が消えてしまうと言われています。
では、遠い未来において「人類最後の仕事」は何か?これは面白い問題です。
私は「塾教師」がその答えの有力候補だと、けっこう本気で思っています。機械がいかに進歩しても、根本のところで人間を理解し、人格に深くかかわれるのは、やはり最後まで人間ではないでしょうか。
情報技術の進歩は教育の形も大きく変えるでしょう。そのとき、一方的に知識を伝達するのではなく、生徒の心にはたらきかけることができる人間でありたいと思っています。

16年1月

「ぼくがテレビゲームから学んだこと。それは、目の前に敵がいるとき、そこは正しい道であるということだ」
私の好きな言葉の一つです。勉強も同じです。逃げまわっているだけでレベルアップはできません。私たちの仕事は、生徒たちの冒険の舞台をデザインすること。ゴールを示し、ルールを教え、生徒を励ます。大切なことは気持ちをつくること。受験なんか、長い人生から見たら序盤のザコ敵です。その先に続くたくさんの冒険のことも、教室で話してやりたいと思います。

15年3月

人間の操作が必要ない「自動運転車」の実用化が近づいています。2030年には「運転手」という職業が消えるという予想もあります。このような変化の激しい時代には、特定の技術よりも、新しい技術を学ぶ力が重要です。
勉強の目的はここにあります。萌学舎は、教師と生徒が長い時間をかけて関係を築いていく塾です。私たちにとって、生徒が自ら勉強するようになることは、とても重要なことです。大人になったときに自分を操縦してくれる人はいません。車に笑われないように、人間もがんばりましょう。

15年1月

人類で初めて月面に立ったニール・アームストロング船長は、当時38歳でした。現在、人間を火星へ送る計画が、2030年代後半を目指して進められています。
そのとき、人類で初めて地球外の惑星に立つことになる人物は、今およそ15歳。その子は、自分の将来など何一つ想像することなく、今ごろ、ぼんやりと窓の外をながめているかもしれません。
人は可能性のかたまりです。子どもたちの日々の小さな一歩が、未来の大きな飛躍へとつながっていく。その力になってやりたいと思います。

14年3月

ドラえもんに「のび太君は人の幸せを願い、人の不幸を悲しむことのできる人だ。それがいちばん人間にとってだいじなことなんだからね。」というセリフが出てきます。本当にそうだと思います。世の中の幸・不幸の多くは、なかなか他人には分かってもらえないものです。受験にも、同じく厳しさと喜びがあります。だからこそ、勉強の大変さを分かちあえる友人たち、教師たちの存在が大きな助けになります。生徒にとって、萌学舎が、そういう大切な場所になってほしいと思います。

13年3月

「卵の殻を自ら割れば鳥になるが、他人が割れば目玉焼きにしかならない」という言葉があります。卵からかえるとき、ヒヨコは自分一人の力で殻を破って生まれてきます。ですから、親鳥の仕事は殻を割ることではありません。卵が育つまで、じっとあたため続けることです。抱卵は、卵の温度が2℃低下するだけでも失敗となる地道で困難な作業。子育てというのは、どこの世界でも大変です。本当の学力というヒヨコをかえすために、私達の熱意が少しでも助けになればと思います。

12年2月

私の好きな言葉に、”Happiness is the best revenge.”があります。幸福は最高の復讐。憎いあいつには笑顔の自分を見せてやれ。この言葉の魅力は、対人関係という自分の外の問題を、自分自身の問題へと逆転させている点です。現実を「自分の問題」として引き受けること。それは単なる忍耐ではなく、人生を自分でつくる喜びなのです。受験は、子供たちにとって人生最初の「自分の問題」です。汗も涙も流れます。そのつらい日々に、合格の笑顔で復讐しましょう。一人でも多くの生徒に笑顔を。私が引き受けます。

11年1月

本気で生きる人は、ときに自分の無力を痛感します。でも、それはみな同じです。バスケの神様マイケル・ジョーダンは言いました。「今までに9000ショット外した。300試合に負けた。俺は失敗してきた。何度も、何度も、何度も。――それが、俺が成功した理由」 勉強も同じ。大事なのは、たくさん間違えること。「よく犬なんかでいられるね」そう言われてスヌーピーは答えます。「配られたカードで勝負するしかないのさ。それが、なんであれ」 勝負にいきましょう。間違いは、私たちが勇気に変えます。

10年3月

「早生まれ」は損なのでしょうか? プロ野球やサッカーでは、4~6月生まれの選手が1~3月生まれの2倍以上もいます。ところが、陸上やゴルフなどの個人競技では差が見られません。これは、団体競技では早くからレギュラーとそれ以外を分けるため、練習量に差が出るからだと言われています。重要なのは、始めたときの能力差ではなく、その後の練習量の差なのです。勉強も同じです。一回の授業、そのわずかな勉強量の差が子供の未来を変える可能性がある。そういう責任と覚悟、そして夢をもって教えたいと思います。

10年2月

つい5年前、「大学生が就職したい企業」の1位だったのは、先日倒産したJALでした。変化の時代。生き方が問われています。オセロの強い人は、序盤・中盤は自分の石の数を増やそうとはせず、相手の石の内側に入り、自分の「打てる手の数」を増やすことに専念します。大事なのは自分の可能性を増やすこと。つまり、学ぶこと。私は子供たちに、「勉強」よりも「勉強のしかた」を伝えたいと思います。そして、変わろうとする子供たちを応援し、ともに成長したいと思います。

09年3月

今年2月、村上春樹さんがエルサレムで行ったスピーチにこんな言葉がありました。「高く固い『壁』と、そこにぶつかる『卵』があるとき、私はいつも卵の側に立つ」。壁とは「システム」のこと、壊れやすい卵とは私たち一人ひとりの人間のことです。人はその人生の中で様々な壁にぶつかります。子供たちの目にその壁はいっそう高く冷たく見えるでしょう。しかし、どんなに壁が正しくとも、私は卵のそばにいる。春樹さんはそう言いました。私も、常に生徒の側に立ちます。

07年11月

「我々が人生の意味を問うのではない。むしろ、人生が我々に生きる意味を問うているのだ」 心理学者フランクルの言葉です。人生のどの瞬間にも意味がある。あなたを待っている何かがある。人は人生からの問いに答えを出す責任がある。この「答え」とは、何かに到達することではなく、答えを求めて本気で生きることだと私は思います。答えを求め続ける力。生徒たちにその力を与えること。それが自分の人生の答えだ。そう思っています。

07年1月

本当に大事なものは、だれかからもらわなければ手に入らない。きっと、そんなふうにこの世界は作られています。私にとって、「笑顔」がそういうものです。「笑む」という言葉は、古くは「咲む」とも書き、「花が咲くこと」「実が熟してわれること」などの意味をもっていました。私の仕事は、笑顔をつくることです。春。心に残る笑顔は、私の勇気そのものです。今年もまた、たくさんの笑顔に出会いたいと思います。

04年6月

地平線までの距離は何kmでしょうか。中学3年で習う三平方の定理と電卓があれば簡単に計算できます。身長160cmの人で、約4.5kmです。意外に近いですね。一見はるか先に見えるものでも、実はすぐそばにあるのです。ですが、地平線そのものに到着することはありません。完全な結論なんてどこにもないのです。そして、人はまた歩き始めます。私は、そのとき、生徒のとなりをいっしょに歩いてやれる、そんな教師でいたいと思います。

03年03月

春惜む命惜むに異らず(虚子)。二度と戻らぬ日々を惜しむのに、春はふさわしい季節です。実は塾の授業も春に似ています。科学の本質は再現可能性(同じ行為が同じ結果を保証すること)です。プロ教師として、いつでも誰にでも効果のある科学的な勉強法の確立を目指すのは当然です。が、授業は科学ではありません。同じ授業は二度となく、成功した教え方も別の生徒には通用しない。同じ桜は二度咲かないのです。過ぎ行く春を惜しむのは、春が輝きに満ちているからです。塾の授業も同じです。毎日の一度きりの出会いを大切にして努力を続けます。

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