お知らせ・コラム
『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬
2023/11/16
本紹介

『同志少女よ、敵を撃て』は昨年本屋大賞を受賞した作品です。一人の少女が狙撃手として独ソ戦に巻き込まれていく小説です。
18歳の少女セラフィマは、母親とともに猟をして村人たちの暮らしを助けていました。
ある日、ドイツ兵によって村が襲われ、母親も殺されてしまいます。復讐心に燃えるセラフィマは、狙撃訓練学校で教官イリーナのもとで狙撃兵として育てられていきます。セラフィマと同じように家族を失った少女たちが集められ、女性だけの狙撃小隊がつくられます。
狙撃手としての技量を上げていく過程、小隊の人間関係、ハラハラするほどの戦闘シーンなど、思わず作品世界に没入してしまいます。
ただ、面白さはそれだけではありません。セラフィマの中の「敵と味方」という二項対立が揺らいでいきます。ドイツ人兵士(フリッツ)を愛する女性サンドラと出会い、こんな疑問がわいてきます。
「被害者と加害者。味方と敵。自分とフリッツ。ソ連とドイツ。それらは全て同じだと、セラフィマは疑うことなく信じていた。だが、もしもこれが揺らぎうるならば。……」
「被害と加害」はアニメ『進撃の巨人』でも重要なテーマになっていますね。
※ここで紹介された本は萌学舎文庫(自習室の本棚。2週間貸出)にあります。
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