お知らせ・コラム
『夏への扉』ロバート・A・ハインライン

新学年が始まったばかりと思っていたが、いつの間にか、秋になってしまった!
「仕事」というタイムマシーンに乗って一足飛びに春から秋に来てしまったかのようです。
『夏への扉』は1956年に書かれた「永遠の名作」と言われるSFです。
1970年12月「ぼく」は失意のどん底にあった。恋人に裏切られ、自分の発明までとられてしまったのである。ひとは、絶望したとき、どうするか。
厳しい現実に立ち向かおうとする冷静さを取り戻すには時間が必要だ。部屋に閉じこもってひたすら涙を流し続けたり、酒に溺れたり……。どうしても感情の海に沈んでしまうのである。
酒場にいた「ぼく」は、窓越しにある広告サインを目にする。それは「財産は睡眠中に創られる」「苦労は夢とともに消える」「ミュチュアル生命 冷凍睡眠(コールドスリープ)保険」というものだった。……そして、「ぼく」は30年の冷凍睡眠に入ろうとするのだが……。
けっきょく現実に立ち向かおうと決意する。理性が正常に働き出せば、たしかに、こうなるはずだ。
……ぼくはもうリップ・ヴァン・ウィンクル(※Rip Van Winkle ワシントン・アーヴィングによる、1819年に発表された短編小説。アメリカ版浦島太郎と言うべきもの)をきめこむことはやめた。それは確かに、ぼくは紀元2000年が見たかった。しかし、それには、なにもへんな小細工の必要はない。腰を落ち着けてじっくり人生を生き、六十になれば、2000年はむこうからやってくるのだ。六十になったって、ぼくはまだ充分に若い。女の子に口笛を吹くことくらいできるだろう。ともかくも、ひと眠りするあいだにお次の世紀へ跳躍するなんぞ、一人前の男のすることでない。それではまるで、映画を見るのに、まんなかのところを抜かして、ラスト・シーンだけを見るようなものだ。ラスト・シーンというものは、その中間のシークエンス(※sequence 続いて起こること。連続。一続きの場面)が、ひとつひとつと展開していってはじめて理解もでき玩味もできるものなのだ。紀元2000年もまた然り。
そうだ、ぼくたちはそうやって自分自身の人生を生きるんだ!
禍福は糾える縄の如し。人間万事塞翁が馬。つらいことがあっても乗り越えていくんだ。それが自分の糧となる……。
ということで、「ぼく」がそのまま人生を生きていったら、SFにはなりません。この後の展開が面白すぎる!「永遠の名作」と言われるわけですね。
※ここで紹介された本は萌学舎文庫(自習室の本棚。2週間貸出)にあります。
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