お知らせ・コラム
受験は「ズレてる」やつが勝つ
受験まで残り9ヶ月、たった9ヶ月なんですが、ほとんどの中学3生はまるで危機感がありません。そんな受験生にむけて、私が教室でよくする話をしたいと思います。
受験は「買い物」でなく「競り」
中学生の多くは受験を「買い物」だと思っています。高校合格という商品を、勉強時間というお金で買うのだと。
これは誤りです。受験というのは「競(せ)り」です。オークションです。ですから、自分が思う「その高校の価値にふさわしい正当な勉強時間」を出しても、ライバルがそれより1時間多く出したら勝てません。
受験は常に僅差(きんさ)の勝負です。同年齢の中学生が自分の学力で受かりそうなギリギリの学校を選び、その横一線の競走の中で、ほんのわずか、人より1cmでも体が前に出た人だけが合格するのです。
だから合格する人というのは「勉強って、このくらいやらなきゃいけないんだ」という勉強量の基準が他人と比べてズレてる人です。受験はズレてるやつが勝つんです。

ジョニーの法則
これを聞いて「自分は受験の大変さはちゃんと分かってます」と思った人はよく考えてください。
受験生全員が「そうか、受験って大変なんだ」と心の底から理解して必死に勉強したら、その分だけ合格最低ラインは上がるんですよ。つまり受験というのは常に「自分が思っているより大変」なのです。
私の好きな法則に「ホフスタッターの法則」というのがあります。「すべては予想以上に時間がかかる。たとえホフスタッターの法則を考慮に入れても」という法則です。この法則にならえば、そうですね「ジョニーの法則」とでも呼びましょうか、「受験は予想以上に大変である。たとえジョニーの法則を考慮に入れても」となります。
自分が納得できる量の勉強なんか受験生は全員やるんです。合格する人は「こんなに勉強するのはおかしい、大変すぎる」と思いながら勉強した人です。
受験は「コスパ」が悪い
そういう意味で受験という取引は、子供目線だと大変「コスパ」「タイパ」が悪いです。
もちろん大人の目から見れば勉強のコスパは抜群です。「学生時代に勉強時間を1時間増やすと生涯収入が約3万円上がる」という見積もりを見たことがあります。時給3万ですよ。どこの闇バイトだっていうレベルです。
ですが、子供にとっての「目の前の1時間」の価値は「遠い遠い未来の3万円」よりもはるかに上ですよね。だから「勉強すれば○○が手に入るよ」という話をしても、「○○程度のためにそんな大変な思いはしたくない」と感じるのは正直な気持ちでしょう。
君たちはどうズレるか
「ジョニーの法則」が発動するためには、合格の価値や勉強時間の大変さを評価する基準がみんなと同じであるという前提が必要です。ですからそこの基準が人と違えば発動は回避できます。ズレていればいいんです。問題はどこでズレるか。
まず、勉強そのものが楽しければ理想形です。福澤諭吉は、自分がなぜ若いとき苦学したのかという問いに
「ちょっと説明はない」
「ただむつかしければ面白い」
「この薬は何に利くか知らぬけれども、自分たちより外にこんな苦い薬をよく飲む者はなかろうという見識で、病のあるところも問わずに、ただ苦ければもっと呑んでやるというくらいの血気であった」
と述(の)べています。こうありたいですね!
頭がよくてもあまり意味はないです。できる人は勝手に目標も高くなるので結局大変になります。
将来やりたいことが明確にあって勉強に意義を感じている人は当然有利です。
志望校に強いあこがれを感じていたり、いい勉強仲間、いい先生に出会ったりすることもやる気の燃料になります。我々としても最後のやつはがんばりたいところです。
しかし、どれも簡単に手に入るものではありません。
その場合は身もふたもないですが「こんなに大変なのはおかしいよ!」と愚痴(ぐち)りながら「勉強量でズレる」しかありません。
人生は大変なんです。合格したい人は自分がどこで「ズレる」つもりなのか、しっかり考えてください。
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