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『小さき者へ』重松 清

2023/07/13
本紹介
萌学舎 教師 加藤国夫のイメージ
萌学舎 教師 加藤国夫

あと残り何年生きられるだろうか。自分に残された時間を、ふと考えることがあります。私も、人生の坂を下りていく、そんな年齢になりました。

「文庫版のためのあとがき」で筆者は物語の中の登場人物たちについてこう書いています。

「彼や彼女たちが、坂を下りていたのか上っていたのかは、書き手であるぼく自身にもわからない。ただ、坂の途中で立ちつくし、途方に暮れてしまった――そのときの体と心の重心の揺れ動くさまをていねいに描いていこう、と心がけたつもりだ。」

この短編の中に出てくる人物と、私たちは似たような体験をしているかもしれません。程度の差こそあれ、私たちはときに、自分の気持ちをうまく表現できずに、不器用にしか生きられなかったりします。

「坂の途中で立ちつくし、途方に暮れて」いる。自分の思い通りにならないことがつらく、苦しくて悩んでしまう。
でも、そこで立ち止まって考えてみてほしい。心の中に、自分の思い通りになるという強い思い込みがないかどうか。

私たちは道具に頼った便利な生活を送っています。こういう入力をすれば、ああいう出力になる、といった予測可能な日常を過ごしています。そういう生活に慣れると、思い通りになることが当たり前になってしまいます。

でも、私たちは機械ではありません。とくに人間同士では思い通りにならないこともあります。人生って、そんなことの連続だともいえます。
そんなときに、少し背中を押してくれるのが、小説とか映画とか音楽なのかな、と思います。そして、そんな苦しいときこそ、自分自身が成長するきっかけになります。

『三月行進曲』の中で、おとなの「僕」は、甲子園の開会式で行進する選手たちを見ながら、子どもの頃と感じ方が違っていることに気づきます。

「子どもの頃は行進する選手しか見ていなかったが、いまは、なぜだろう、甲子園に出られなかった連中のことを思う。行進する選手の何千倍もいる、負けた選手たちのことが気になってしかたない。……思いどおりにならないこと――これからもたくさんあるぞ、と言ってやりたかった。勝て、とは言わない。負けるな、とも言えない。」

大人になると、それまで見えていなかったことが見えるようになる、視野が広くなるということでしょうか。小説は、若い人たちにとっては 人生の予習になるし、私にとっては人生の復習をさせてくれるもの、つまり、あれはこういうことだったのか、としみじみと振り返るきっかけを与えてくれるものなのでしょうか。

※ここで紹介された本は萌学舎文庫(自習室の本棚。2週間貸出)にあります。

萌学舎 教師 加藤国夫のイメージ
萌学舎 教師 加藤国夫

私はほぼ毎日走っています。身体を動かすと気持ちも前向きになります。生きていくうえで悩みはつきないもの。進路・勉強などの悩みは、面談でもよく話題になります。遠回りのようですが、何が自分にとって大切なのか、どういう人生をおくりたいのか、どういう人間になりたいのか、といった本質的なことを考えると自分の進むべき道が見えてくるかもしれません。そのような思考の補助線になるが読書だと思います。読書は人生というマラソンを走るうえで欠かせないものだといえます。

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