お知らせ・コラム
『クララとお日さま』カズオ・イシグロ
2022/09/15
本紹介

「クララ」は人工知能を搭載したロボット。店頭で売られているところから話は始まります。そして、病弱な「ジョジー」に買われ、とも過ごすことになる。
「ジョジー」の母親「クリシー」は「ジョジー」の姉「サリー」をすでに亡くしている。さらに「ジョジー」まで失うなんて耐えられない。そんな思いから「クララ」に「ジョジー」を「継続」させようと悩み考えている。
「クリシー」が「クララ」にこう語りかけます。
「懐かしがらなくてすむって、きっとすばらしいことだと思う。何かに戻りたいなんて思わず、いつも振り返ってばかりいずにすむなら、万事がもっとずっと、ずっと……」
「感情がないって、ときにはすばらしいことだと思う。あなたがうらやましいわ」
この言葉にたいして「クララ」はこう答えます。
「わたしにも感情があると思います」
「多くを観察するほど、感情も多くなります」
「クララ」は「お日さま」を信じ、「ジョジー」の病状が悪化しても希望を失いません。
最後、廃品置き場に置かれた「クララ」が「店長さん」と再会する場面が何ともせつない。
「クララ」はいま自分が置かれている場所さえも気に入っているようです。
「わたしはこの場所が好きですし、当面、振り返って整理すべきたくさんの記憶がありますから」
「クララ」に欠けているものがあるとすれば、それは「絶望」ではないでしょうか。
※ここで紹介された本は萌学舎文庫(自習室の本棚。2週間貸出)にあります。
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