『逆ソクラテス』井坂幸太郎 | 志木駅徒歩6分|朝霞・志木・新座の高校受験専門学習塾【萌学舎】
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『逆ソクラテス』井坂幸太郎

2021/08/19
本紹介
萌学舎 教師 加藤国夫のイメージ
萌学舎 教師 加藤国夫

私は走ることを日課にしています。最近は暑くて走れない日もありますが。
身体を動かすことで、凝り固まった心と体がほぐれてきます。凝り固まった心では自分の世界が狭まるので、注意しなければ。

さて、今回紹介するのは『逆ソクラテス』。小学生から読めます。「ソクラテス」について確認しておきます。こういうときは簡単にまとめてある本が便利。鷲田小彌太著『100文字でわかる哲学』という新書が手ごろでいいですよ。「ソクラテス」のところを引用します。

アテナイ最大の賢者といわれたソクラテスは、絶対的な真理などないとする考え方を否定し、普遍的真理を発見する方法を探求した。そして、『無知の知』を基本とする対話法によって世の中の『定説』をつぎつぎと批判した。

ここに出てくる「定説」というのは、先入観とか思い込みとか、凝り固まった考えのこと。
『逆ソクラテス』は教師の先入観とたたかう小学生の話です。教師の先入観を壊すために、小学生たちは「カンニング作戦」などを実行していく。少しスリルもありスカッとするところもあり、けっこう楽しい。さすがミステリーをずっと書いてきた作家です。

「決めつけて偉そうにする奴」に負けない方法を、転校生の「安斎」は「僕」に教えてくれる。「ダサい」とか「恰好悪い」とか言われたら「僕はそうは思わない」と言えばいい。

たとえば、父親が会社を首になった。誰かに「情けない父親だな」と言われたとする。そういうときにこれだけは言い返すべきだ。落ち着いて、ゆっくりと、しっかりと相手の頭に刻み込むように「僕はそうは思わない」と。

情けないかどうかは人それぞれが感じることで、誰かが決められることではない。「無職だ」とは言えるが、「情けないかどうか」はわからない。他人は自分の父親のことを知らないわけだから、ちゃんと表明すべきだ、「僕はそうは思わない」と。「君の思うことは、他の人には決めることはできないんだから」と「安斎」は「僕」に語りかけます。

毎日「ダメだ、ダメだ」と言われ続けた人は本当にダメになってしまう、などとよく言われますね。言葉の呪いです。他者からの決めつけも困ったものですが、自分で自分を決めつけてしまうことも残念なことです。心は柔軟に。ひとは日々成長し続けるもの。よし、明日も走ろう、ゆっくりと。

※ここで紹介された本は萌学舎文庫(自習室の本棚。2週間貸出)にあります。

萌学舎 教師 加藤国夫のイメージ
萌学舎 教師 加藤国夫

私はほぼ毎日走っています。身体を動かすと気持ちも前向きになります。生きていくうえで悩みはつきないもの。進路・勉強などの悩みは、面談でもよく話題になります。遠回りのようですが、何が自分にとって大切なのか、どういう人生をおくりたいのか、どういう人間になりたいのか、といった本質的なことを考えると自分の進むべき道が見えてくるかもしれません。そのような思考の補助線になるが読書だと思います。読書は人生というマラソンを走るうえで欠かせないものだといえます。

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