西武文理中学・高校
卒業生の「わが校」紹介
高橋諒くん(2007年 萌学舎卒業生)
西武文理は県内でも有数の進学校として知られているためか、真面目な生徒が多く、校則が厳しいため、不真面目な人には辛いのではないかと思われています。確かに生徒の半数以上は真面目で、校則も厳しいとは思いますが、不真面目な生徒もいますし、そういった生徒もそれなりに学校生活を楽しんでいます。部活の種類も多く、特に吹奏楽部は様々な行事で活躍していました。文理は狭山という見晴らしのよく、空気の綺麗な土地にあるため、敷地が広く、グラウンドが余っています。そのため、僕はよく放課後にサッカーをしていました。なお、学校にはプールがありません。これは校長が泳げないからという噂がありますが、真偽のほどは定かではありません▼文理の学生は真面目な生徒が多いため、試験や受験が近付くにつれ、休み時間でも教室で勉強をする生徒が多くなります。そのため、僕のように遊んでばかりだった生徒でも勉強に対して危機感を覚えます。文理には普通科、英語科、理数科、特別選抜の4つの学科が存在します。大雑把に分けてしまうと、英語科は文系大学を、理数科は理系大学を、特別選抜クラスは国立大学を目指します。必ずしもこの限りではなく、例えば英語科から理系大学を目指す生徒も若干名います。普通科は2年次に文系か理系かを選択します。放課後に大学関係者や予備校関係者が大学や勉強の仕方について講義を開くこともよくあります。文理は進学に関する環境は整っていると思います▼勉強だけではなく、遊びの方も重要だと思うので、勉強と遊びを両立した高校生活を楽しんで下さい。
学校説明会報告
2016年(下山)
前年に娘である佐藤仁美学園長の学園資金私的流用問題が発覚し、その責任を取る形で創業者である佐藤英樹校長も現場から退き、理事長として学園経営に専念することになりました。2016年4月(実際は2015年12月)から猪狩誠市教頭が中学・高校の校長に就任しました。
同校は創業者である佐藤英樹校長の稀有なパワーで伸びてきた学校です。入学式が終わった後、父兄に対し、もう身内なんだから椅子の片づけを手伝いなさいと言って、一緒に片付けさせたという逸話があります。真偽のほどはわかりませんが、佐藤校長ならありなんと思われます。個人的には型破りな校長に非常に共感を覚えます。大好きです。こうした人物に率いられた組織の課題は、後継者です。
猪狩校長はいたって常識的な好人物だと感じました。ただ、佐藤校長のインパクトと比べるとあまりに落差があり、リーダーシップの点で不安が残ります。従来の学校パンフレットには、冒頭に校長の顔写真と談話が入っていましたが、今年のパンフレットには校長の名前すら載っていませんでした。
優秀な先生も多く、生徒を伸ばすための様々な取り組みもしており、進学実績も一時より落ちているものの悪くありません。ただ、「仏作って、魂入れず」の言葉が示すように、様々なシステムは強力なリーダーがいて、初めて実効あるものになります。
新生西武文理をお勧めできるかどうかは、もうしばらく新校長の手腕を見てからでないとわかりません。
2015年(入部)
川越からスクールバスで25分ほどのところにある共学の進学校です。通学にやや時間がかかりますが、その分広々とした敷地で学校生活を送ることができます。
エリートを育成するグローバル教育ということで、英語教育に力を入れています。昨年と同じく、先生方の英語での自己紹介で始まる楽しい説明会でした。在校生は中3で英検2級,高3で英検準1級の取得を目標としていますが、達成する生徒はごく少数とのことです。大学進学については、「東大合格10名目標」という横断幕が相変わらず掲げてありましたが、今年も合格は1名です。「達成できなくても目標は高い方がいい」という話もあり、そういう考え方を否定するわけではありませんが、10名目標と言うならせめて6,7名くらいの合格は出して欲しいものです。ちなみに、埼玉の私立では、栄東と開智が毎年10名前後の東大合格者を出しています。栄東と西武文理はライバル校というイメージがかつてはありましたが、現在では競合しないランクに位置する2つの進学校です。慶應15,早稲田46,上智31(重複はかなり多い、とのこと)という合格数も上位の進学校というには物足りません。
教員は専任が多い,通塾率は高い(ちなみに東進に通う生徒が多いそうです)ということですが、どちらも具体的な数値は教えてもらえませんでした。
共学の進学校を希望で、栄東を受けるには成績が足りない、開智は遠い、という人には板橋の淑徳とともに検討すべき学校になると思います。
また、来年度の入試から、中高ともに出願はインターネットのみとなります。
2014年(入部)
共学の進学校です。川越駅からスクールバスで25分程度の時間がかかりますが、校舎は綺麗ですし、敷地が広く、グラウンドが8面、体育館が2棟あり、のびのびと過ごすことができそうです。
説明会は、各先生が英語で自己紹介するなど楽しいものでしたが、授業内容や進学実績などの話はありませんでした。生徒がローマ法王に拝謁を賜った、ノーベル賞受賞者を招いて講演をしてもらった、ALTがハーバード大学院卒である、敷地内に有名芸術家の手になる彫刻が多くある、といった話がメインで、「エリート教育」「本物に触れる」ということを強調していました。西武文理といえば、とにかく勉強第一、実績第一というイメージでしたが、校長先生もお年を召して、少し雰囲気が変わってきたのかもしれません。
説明会の会場となった建物には、大きく「東大合格10名目標」と書かれていましたが、2014年度入試の東大合格者は1名です。同じく共学校の栄東は現役だけで7名合格(卒業生数は栄東の方が少ない)ですから、ライバル校と呼ぶには差が開き過ぎた感があります(推薦基準にもかなり差があります)。
共学の進学校が希望で、同校の「エリート教育」が気に入れば、良い学校だと思います。
なお、中学入試では一貫クラスと選抜クラスの入試があり、選抜クラスの場合は高入生と混ざります。上位クラスになるほど専任の先生が授業を担当する率は高くなります。また、多くの生徒が塾や予備校に通うということでした。
2013年(國吉)
【校風】
「売り上げをあげる。つまり、生徒を望む大学へ進学させる。これが、私学としてのあるべき姿だ」
これは、昭和54年に西武学園文理高校を設立した佐藤英樹理事長の言葉です。
イギリスの伝統校であるイートン・カレッジをモデルとした当校は、埼玉県内でも有数の実績を重ねてきた進学校です。現在では小学校から高校、サービスを学ぶ大学、調理専門学校など9つの学校を開校しているマンモス校でもあります。グローバル化する社会に対応できる人材を育てるため、特に英語力に主眼を置いた教育を行ってるのが大きな特徴です。
携帯電話の持ち込み禁止、登下校時の服装チェックなど、規律には厳しいです。
勉強第一の当校ですが、課外活動を行う機会も多く、勉学のみに偏らない人間形成の場が作られている印象です。
【キャンパス】
赤レンガ造りの校舎が並び、一流芸術家による彫刻が30体以上設置されているなど、格調の高さが感じられるキャンパスです。多くの生徒が集まる学校ですが、狭山丘陵の広い土地を十分に活かしているため、校舎・校庭ともに広々としています。
【学習環境】
朝は7:00から学校の自習室が開放され、18:00まで開いています。また、川越に生徒専用の学習センターを設け、夜22:00まで使用できるようになったとのことです。特に高校生に対しては、授業以外の補講や小論文対策など、受験に向けてきめ細かくフォローされます。22年連続で東大合格生を輩出し、国公立大学合格者が100名を突破したのも、妥協なく進学に対して注力している表れかと思われます。
【教師】
私塾の評判の良い教師を引き抜いてくるなど、教師の質には気を使っているようです。
生徒の数に比例して教師も多いため、規律に厳しかったり、ある程度緩かったりと、教師によってムラがある部分があります。
授業中にオススメの映画を見せてくれる、ギターを持って英語の歌を歌ってくれるなど、中にはかなり個性的な教師もいます。
【課外】
様々な課外活動が用意されています。
中学校では、25種の部活動以外に、28種の伝統芸能などを学ぶ課外活動やスキー教室、ダンス発表会などがあります。修学旅行はイタリアです。平成24年度の旅行ではローマ法王に謁見したとのことです。
高校2年次の修学旅行では、1週間海外の牧場に滞在。英語科は3週間ホームステイをし、現地の英語を学びます。希望者は1年生の時にもカナダへの短期留学が可能です。
他にも、大学見学会やノーベル賞受賞者を招いての講演、模擬裁判、英語スピーチ、企業の商品開発やロボットコンテストなど、枚挙に暇がありません。
【通学】
歩いていける距離に最寄り駅がないため、通学にはスクールバスの利用が必須となります。
スクールバスは西武池袋線「稲荷山公園」駅、東武東上線「鶴ヶ島」駅、JR埼京線・東武東上線「川越」駅、西武新宿線「新狭山」駅、JR八高線「東飯能」駅より発着しています。バスの本数に不便を感じることはないと思われます。
また、通学に時間がかかる立地であることから、電車やバスの中での時間を有効活用できるような勉強法も指導していると言うことです。ちなみに、国立大学合格者のうち、実に半数は1時間半以上の時間がかかっていたそうです。
【学科毎の特徴】
理数科では普通科に比べ、理系の授業数が倍。英語科では普通科に比べ、英語の授業数が倍になります。エリート選抜東大コースは、東大・京大・国公立・医学部合格を目指した選抜クラスです。
なお、中学からの持ち上がりの生徒と、高校からの入学者とは別のクラスに分けられます。
【懸念点】
懸念されるのは、今まで学校を引っ張ってきた佐藤英樹理事長が一線を退き、娘の佐藤とし子学園長に代替わりをしたことです。
佐藤とし子学園長はハーバード大学卒という経歴の持ち主ですが、説明会の印象では、リーダーシップ・求心力は父親に遠く及ばないように感じられました。
また、説明会において、経営者として、または補佐する立場としてオーラのある先生は見受けられませんでした。
今の体制を築けたのは、よく言えば強力なリーダーシップ、悪く言えばワンマンである英樹理事長の力があってこそのものです。2013年現在、すでに77歳である英樹理事長はまだ経営に関わっていくようですが、完全に引退した後、学校にどのような変化がもたらされるのか、しっかり見ていく必要があります。
2012年(下山)
創立46周年を迎えた同校は栄東、川越東とともに埼玉県の上位私立としての地位を確立しています。同校の特色は進学を前面に押し出した指導であり、またそれを推し進めた佐藤英樹理事長その人の個性にあります。西武文理の躍進は型破りでパワフルな佐藤理事長だからこそ成し得たと言えます。その理事長も今年77歳になり、やや元気がなくなってきました。進学実績も落ち気味になっています。現在は娘が校長に就任していますが、その力は未知数です。
小テストや補習、学習意欲をあげるための様々な行事など、勉強をさせるためにいろいろと工夫しています。今年度は川越に文理生専用の塾を作りました。100人収容でき、希望者は毎日10時まで勉強できるそうです。
学校に求める優先順位として進学を第一に考え、共学校をお探しの場合はお薦めできます。高校の場合、栄東より推薦基準は低く、入りやすくなっています。
不安材料は佐藤英樹理事長が引退した後です。後進が育っていないように感じらます。生徒の学力を伸ばすには教師自身の熱い思いと莫大なエネルギーが必要です。それを引っ張る校長はさらなる熱い思いと高い志がなければなりません。一般的に考えれば世襲で成功する例は少ないと思われます。
2011年(下山)
今年創立45周年を迎えました。交通の便は良いとは言えませんが、そのぶん入間川沿いの狭山丘陵に展開するキャンパスは広々としています。各所に30体以上の一流彫刻家による作品が置かれ、レンガ色の校舎と相まって良い雰囲気を醸し出しています。
とにかく進学に重点を置いた学校です。その点においては様々な工夫がされ着実に実行されています。創立者であり校長の佐藤秀樹先生の個性が色濃く出た学校です。学校選択の際は必ず校長先生のお話をお聞きになることをお薦めします。国公立大学の合格者は100名以上で、東大合格者も20年続けて出ています。
中学の募集定員は240名でその内80名は小学部から上がってくるため、実際は160名になります。特選クラス1と一貫クラス5の6クラスがあります。特選と一貫の入試問題は算数のみ別問題で他の3教科は同じです。合否判定は4教科をそれぞれ偏差値換算し、合計を4で割って上位から合格とします。そのため、4教科とも同じ比重となります。補欠合格はありませんが、2/7頃繰上げ合格の電話があります。年間約80万円を免除する特待生制度があります。特待生は毎年見直しがあります。
高校の募集定員は450名ですが、中学からの内部進学者を含む人数です。95%が推薦入試です。合否判定は受験した学科のみ行い、スライド合格制度はありません。推薦入試は現役生のみですが、一般入試は既卒生も受けられます。英語科は300点満点の内、英語を150点、数学を50点、国語を100点とする傾斜配点制度を希望により取ることができます。また、英検準2級又は英語偏差値が68あれば、偏差値64で推薦をとることができます。基準を満たせば落ちることはありません。今年度から内申点が一定以上あれば、基準偏差値に1ポイント加算する制度ができました。基準偏差値の詳細は別表をご覧ください。
2010年(加藤)
高校は開校30周年になります。中学・高校のほか、大学・小学校・専門学校があります。スクールバスは、大学生も利用するので昼間でも30分に1本は来ます。中高一貫生クラスは高入生クラスのHRと異なりますが、高2以降は講座によっては中入生と高入生が混ざることもあります。中高一貫クラスでは、中学から高校へ教員の6割が持ち上がります。中学は出来るだけ専任の教師で固めたいとのことで、各教科1名ずつの非常勤がいる程度だそうです。高校では非常勤の割合が高くなりますが、授業時間数でいうと、専任と非常勤の割合はおよそ8:2です。通塾率は中3では1割ほど、高校にいくと3割強になり、受験期になるとさらに高まるそうです。中学1・2年から習熟度別授業をおこない、2クラスを3分割しています。この時期で中学課程を終わらせ、中3から高校の内容に入ります。高校3年の1年間は入試に即した授業をおこなっています。たとえば、センター・2次・薬学部・早大理工といった入試に即した講座を準備しています。進学補習以外の学校行事も豊富です。中3時にはイタリア研修旅行に行き、ローマ法王に会ってきます。中2では模擬裁判をします。弁護士や裁判官に来てもらって話をしてもらうと、生徒たちの裁判に対する考え方が変わってくるそうです。なお、高校には理数科がありますが、これは文科省に認められた専門課程なので、途中での変更はしにくいということです。パンフレットに載っている大学の合格実績は現役・浪人合わせた数ですのでご注意ください。主だった大学の現役合格の数を現役合格延べ人数→現役合格実数→現役入学者数の順で記しておきます。早稲田は34名→26名→21名、慶応は15名→13名→8名、中央は41名→36名→15名、立教は54名→34名→14名。
2009年(下山)
創立者であり、現在も理事長・学園長・学校長を兼務する佐藤英樹氏の個性が色濃く出ている学校です。一代で西武文理小学校から大学まで、その他専門学校を含め9つの学校を創り上げたパワーは現在でも健在です。悪く言えばワンマンで独善的なところもあるかもしれませんが、建前ではなく、信念と実践から出てくるその言葉は説得力と重みがあるように感じました。人間力・人を引っ張っていくパワーは稀有なものがあると思います。教師管理もしっかりしており、その点では良い意味で一般企業のような印象を受けました。毎日の小テストや定期テストの補習・個別補習・個々の生徒の学力の分析等生徒を伸ばすための様々な工夫もこの校長のリーダーシップがあってこそ実効あるものとなっていると感じました。東大合格を第一目標に掲げ、エリート教育を標榜する同校をややもすると敬遠する向きもあるかと思います。しかし、本音でがむしゃらに突き進んできたからこそ、創立から二十数年で県内屈指の進学校になったとも言えるでしょう。いずれにしてもカラーのはっきりとした学校です。気に入るか、気に入らないかの判断はしやすいと思います。
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